『青梅上成木ふれあいの森 自然観察会』 報告書    H22.08.02 報告:竹中

 

しばらく活動を休んでおりましたが、久し振りにしぜん部の活動としてウォーキングも兼ねた自然観察会を行いました。

 

.実施日 H22.8.1 ※サエズリの谷で行われた『夜の自然観察キャンプ』の翌日

2.参加者 大手、石川、松浦、竹中(順不同、敬称略)

      午後からは前日キャンプに参加した藤森さんの子供さん達4人が加わる。

3.ルート AM800東青梅駅集合、車にて里人会館へ、ここから徒歩にて出発〜大滝口、いらくさの道〜サエズリの谷、キャンプ参加者と合流、休憩、昼食、サエズリの道〜スミレ道〜大滝作業道入口〜里人会館〜車にて東青梅駅へ、解散

 

今年は春先の降雪と異常低温が長く続いたため植物の生育が遅れ、花によっては昨年に比べ1週間〜10日以上開花が遅いものもあり、例年ならもうとっくに咲いている筈なのにまだ蕾状態や蕾さえも見られない花も多く、特に盛夏の今頃はこれといった花があまりない時期ですが、それでもいくつかの山野草を見ることができました。

 

4.観察ルートで見られた山野草(アイウエオ順)

アキノタムラソウ(秋の田村草、シソ科アキギリ属):常盤林道沿い、まだ少し早い。

イワタバコ(岩煙草、イワタバコ科イワタバコ属):常盤林道大滝作業道入口までに数ヶ所自生を確認、見頃にはまだ1週間ほど早い。

最近、岩肌の保湿状態の悪化と盗掘で減少が気になる植物。

雑草がひどく、蕾の時期にシダ類や他雑草の除去をした方がよいと思われる。

オトギリソウ(弟切草、オトギリソウ科オトギリソウ属):常盤林道および、スミレ道から大滝作業道入口、まだ蕾状態。

ウバユリ(姥百合ユリ科ウバユリ属):常盤林道沿い、大滝作業道入口付近が多い、ほとんどがまだ未開花状態。

ウワバミソウ(蠎草、イラクサ科ウワバミソウ属):別名ミズナ、水辺の近くどこでも見られるが花の時期はもう終り。

オオルリソウ(大瑠璃草、ムラサキ科オオルリソウ属):常盤林道上流部、薄青い小さな花が可愛い。

キツネノカミソリ(狐の剃刀、ヒガンバナ科ヒガンバナ属):常盤林道白糸の滝より少し上流の山側斜面に1ヶ所にのみ群生。

キツネノボタン(狐の牡丹、キンポウゲ科キンポウゲ属):どこの草地でも見られる黄色い花。

キツリフネ(黄釣舟、ツリフネソウ科ツリフネソウ属):常盤林道上流部、紅紫色のツリフネソウの開花はまだ少し先である。

クサアジサイ(草紫陽花、ユキノシタ科クサアジサイ属):常盤林道上流部と大滝作業道入口近くの山道。

クサギ(臭木、クマツヅラ科クサギ属):常盤林道とスミレ道、まだ赤味を帯びていない。

コカモメヅル(小鴎蔓、ガガイモ科オオカモメヅル属):常盤林道沿い、まだ咲き始め。

コナスビ(小茄子、サクラソウ科オカトラノオ属):サエズリの谷近く、地面近くに直径6mmほどの黄色い小さな花をつける。

ダイコンソウ(大根草、バラ科ダイコンソウ属) :どこの草地でも見られる黄色い花。

タニタデ(谷蓼、アカバナ科ミズタマソウ属):サエズリの道〜スミレ道の暗い山道沿い。

タマアジサイ(玉紫陽花、ユキノシタ科アジサイ属):常盤林道上流部、いらくさの道〜スミレ道などの山道は少ない。

ヌスビトハギ(盗人萩、マメ科ヌスビトハギ属):常盤林道沿い、まだ少し早い。

ノリウツギ(糊空木、ユキノシタ科アジサイ属):常盤林道沿い、そろそろ花は終り。

ハエドクソウ(蠅毒草、ハエドクソウ科ハエドクソウ属):常盤林道沿い、まだ少し早い。

ハグロソウ(葉黒草、キツネノマゴ科ハグロソウ属):いらくさの道の途中、水辺近くの湿ったところ。

ヒヨドリバナ(鵯花、キク科フジバカマ属):常盤林道沿い、まだ少し早い。

ヘクソカズラ(屁糞蔓、アカネ科へクソカズラ属):どこでも見られる蔓性の雑草で、花は可愛いが名前が可哀相。

ボタンヅル(牡丹蔓、キンポウゲ科センニンソウ属):常盤林道の谷側の低木に絡みつく蔓性の花、まだ少し早く2ヶ所だけ開花を確認

マルミノヤマゴボウ(丸実の山牛蒡、ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属):サエズリの谷近くに数株確認、常盤林道ではほとんど見かけない、花は終りでこれから実が色づく。

 ミズモトソウ(水元草、バラ科キジムシロ属):常盤林道上流部、大滝作業道入口より少し下流の水辺の湿ったところ。

ミゾホオズキ(溝酸漿、ゴマノハグサ科ミゾホオズキ属):いらくさの道の途中、水辺近くの湿ったところ。

ミヤマタニソバ(深山谷蕎麦、タデ科タデ属):どこでも見られ、三角形の葉に八の字形の黒っぽい模様があり3mmほどの白い小さな花をたくさんつける。

ヤマアジサイ(山紫陽花、ユキノシタ科アジサイ属):どこでも見られる、花の時期はもう終りで変色した装飾花が見られる。

ヤマユリ(山百合、ユリ科ユリ属):常盤林道下流部、そろそろ花の時期は終わりで香りももうあまり匂わない。

名前?の紅()紫色のマメ科の花でエビラフジ(箙藤)または、ミヤマタニワタシ(深山谷渡し)と思われるが名前現在?:常盤林道上流部、いらくさの道〜スミレ道などの山道ではほとんど見られない。

 

5.その他、気がついた点

活動拠点、サエズリの谷に植林したコナラの苗はいくつかが鹿に食べられたが、残りは順調に生育している。

以前からサエズリの谷にあったトチバニンジンの苗は消滅、根はまだあると思われるので再発芽を期待、再発芽したら別の場所に移動したいが可能か・・・。

マルミノヤマゴボウはヤマゴボウの在来種で他の外来種の植物との鬩ぎ合いに負け、年々減少しており、サエズリの谷近くで数株確認したが年々減っているようである。

サエズリの道の途中でハンショウヅルの葉、蔓を確認。

昨年一株だけ花を咲かせたスミレ日向道のセンブリが今年はその周辺に数株以上新芽をだしているのを確認。

スミレ日向道には山側、谷側ともススキが生い茂っているので、近々草刈りをした方がいいかも・・・

尚、このススキ繁茂区域に数日前、吉野さんによりナンバンギセルの種が蒔かれました。

スミレ道から大滝作業道入口へ下る途中、都標識近くに以前からあった囲いの中のツルリンドウは更に減少しているもよう、生育環境の不適か?盗掘か?

ツルリンドウの近くの同じ囲いのナガバノコウヤボウキは大きく育ち、秋に花が咲くのが楽しみです。

 

平成2282日 青梅上成木ふれあいの森 しぜん部 竹中